Vol.9　I-Attract ローカルコーディネーター・アドバイザー / 松川温泉アルペンローゼ / 八幡平地熱蒸気染色営業・広報マネージャー　鈴木絵美氏

2022-01-08

生まれながらに恩恵を受けているいわての地熱。
自然にSDGsを体現し続け、八幡平と人をつなげる「架け橋」的存在に

I-Attract ローカルコーディネーター・アドバイザー / 松川温泉アルペンローゼ / 八幡平地熱蒸気染色営業・広報マネージャー　鈴木絵美氏

　八幡平は地熱活用の先進地。SDGsが叫ばれる今より以前に地熱エネルギーを活用し、地熱発電・温泉利用を行ってきた。ここで紹介する鈴木絵美氏は、地熱活用が盛んな松川エリアに生まれ育ち、今は自らが八幡平の魅力を外に発信する活動を多精力的に行っている。八幡平の魅力は何なのか、ここに訪れる意味とは、鈴木氏に話を伺った。

小さい頃から地熱を感じる環境で育つ。気づいた時からすでに”ワーケーション”を実践する環境だった

いわて八幡平ワーケーションサイト編集部（以下HW）：　鈴木さんの現在行っている活動を教えていただけますか？

鈴木：　地元の良いものや魅力を発信したり、人と人を繋げるローカルコーディネーター・アドバイザーを行なっております。その他、クラウドソーシングでの仕事もしておりますので複数仕事を持っている「副業」ではなく「複業」を実践しております。

　また実家はペンション「松川温泉アルペンローゼ」と地熱を利用したアート染色品「八幡平地熱染め」の工房を営んでおり、その営業広報の手伝いをしております。

HW：　生まれた環境が既に地熱を利用していたんですね。

鈴木：　ええ。松川温泉で実家がペンションという環境で育ちましたし、母と兄が地熱蒸気を利用した「八幡平地熱染色」の染色作家として商品を作り販売する生活でした。染色品はもちろんですが、松川温泉のお湯など地熱の恵みの中で生まれ育ってきましたね。

HW：　興味深い生活環境ですね。移動が多い日常環境で育ったのでしょうか？

鈴木：　はい。幼少期からこの地でお客様を受け入れるのはもちろんですが、全国の展示会で染色品を販売しながら岩手八幡平をPRするという「人との触れ合い」の生活です。

鈴木：　東京での学生時代にも首都圏での販売手伝いはしてましたが、卒業して戻ってきてからは、1週間広島に行った次の週は横浜に行って、一度岩手に帰り、また次の週は別の場所へ行くという日々もありました。「ワーケーション」という言葉ができる前から、「ワーケーション」を実践する生活をしていたと思います。滞在中は各地の美味しいものを食したり、移動の合間には観光地にも立ち寄ったりと、まさにワーケーションと言えるのではないでしょうか。

八幡平の魅力を発信できる人を育てたい思いから、高校魅力化にも携わる

HW：　八幡平の自然を身近に感じ、その恩恵を受けて生まれ育っていらっしゃったのですね。

鈴木：　はい。今後はその八幡平の素晴らしさ・魅力をどんどん外へ発信していきたいですね。それと同時に共に八幡平の魅力を発信できる人材を育てたいと考えております。

　ここ数年、八幡平市内にある岩手県立平舘高等学校家政科学科で授業コーディネーターとして地域高校の魅力化のお手伝いをしております。例えば、八幡平の素材を使って「何かを」作り出すことに挑戦しています。学生さんと一緒に「”八幡平”といったら何があるだろう？」と一緒に考えて、「農産物」「地熱」「八幡平の自然」などアイディアを出し合いながら、昨今人気急上昇中の観光スポット「八幡平ドラゴンアイ」をイメージしたクッキー開発や焼け走り溶岩流をイメージした溶岩パンの商品化などをお手伝いしてきました。家政科としての「衣食住」の中に八幡平の魅力学習をいれこみ、貴重な授業となるキッカケづくりをしています。

八幡平と人をつなげ「架け橋」となる

HW：　鈴木さん自身が八幡平の魅力を発信するだけではなく、発信する人の育成も行っているんですね。

鈴木：　この他にも、八幡平地熱蒸気染色で染めた布を使用したSDGs学習、八幡平の観光学を学ぶために八幡平で活躍するゲストをお呼びし、講義や実習授業を行っております。子ども達には自分たちが体感して学んでほしいと思っております。この子たちがいつか八幡平を離れることになっても、新天地で八幡平の素晴らしいところを広めてくれるでしょう。私はそれを期待し、地元の高校だけではなく、今10年、20年後に広い世界に飛び立つであろう子どもたちにも地域のファンになってもらいたいと思いながら、人材育成などのお手伝いをしていきたいと思っております。

　今後は、八幡平の魅力発信だけでなく、八幡平を訪れた人と八幡平に住む人・機会を繋げたいと考えています。SNSも使用しながら、八幡平の良いところを自ら広めていきたいです。また八幡平には魅力的な方々が沢山いらっしゃいます。まだまだ、昔から変わらない場所も多数あります。新しいものをそこへ単純に入れて変えれば良いということでもないと思うんですね。昔からある良いところはそのまま大切にし、繋げる活動を行っていきたいと考えております。八幡平に来てくださる方々には、「八幡平地熱蒸気染色」の体験も受け付けていますし(４〜10月日時限定の土日のみ)、八幡平で様々な魅力的な人々に出会っていただき、SDGsを体感して欲しいですね。私も沢山の方々にお会いし、皆様から様々な刺激を受けながらこの地で子育てと仕事を楽しんでいきたいと思います。