星の降る山荘でワーケーションを
七時雨山荘 立花 龍太氏
360度大自然のパノラマの中にある宿 “七時雨山荘”を営む 立花 龍太氏は、山荘の3代目でありながら、エンジニアとして岩手と東京の二拠点生活を行っている。「星降る山荘」として有名な当宿が、どんな道のりを辿り今に至ったのか、またワーケーション活用の現状を立花氏にインタビューした。
星降る山荘
いわて八幡平ワーケーションサイト編集部(以下HW): 立花さんの今までの道のりを教えてください。
立花: ここ八幡平市七時雨(ななしぐれ)で生まれ育ち、高校進学を期に八幡平市を離れ盛岡市内へ引越し、そのまま東京へ上京後エンジニアとして働き始めました。 その後、母が亡くなったことを機に帰郷、七時雨山荘で働くことになりました。
七時雨に帰郷したものの、今後ここにお客様をどう呼び込んでいけば良いか、とても悩みました。そんな中、たまたま見上げた空には満天の星があり、輝きは美しく、これは七時雨でしか見れない星空だと思い、これを広めていきたいと考えるようになりました。
HW: 一度、ここを離れ、東京生活を経験したからこそ、七時雨の星空の美しさを再発見したのでしょうね。
立花: はい。七時雨はカルデラ地形になっていて、七時雨山荘はその底付近にあるので、自然の箱庭なんですよ。外界からの光が山で遮断され、特別な星空を観察できるんです。
近年は、一戸観光天文台台長の吉田偉峰さんをお招きし、定期的に「星を見る会」を実施しています。天体観測のプロの話を聞きながら、星空を観察できますし、そのまま宿泊もできます。
HW: 今や「星降る山荘」として有名ですよね。
立花: ありがとうございます。これを機に、星空を見るために七時雨山荘に訪れる方が増えましたね。
日本一星空の見えるテントサウナ
HW: 「日本一星が見えるテントサウナ」の宿としても有名ですが、これはどのようなきっかけで始まったのですか?
立花: ある時に、集客のために浴室のリノベーションを検討することになったのですが、元々僕がサウナ好きだったこともあり、知人にその事を相談したところ、東北で最初にアウトドアサウナを行った施設を紹介していただきました。早速現地に行き、そこで見たテントサウナが七時雨山荘でも合うのではないかと考え、導入を決め、始めることにしました。その結果、全国各地からサウナ好きの人が山荘に訪れるようになりました。
HW: コロナ禍もあり、楽しめるアクティビティが限られる中、野外でできるテントサウナは良いアイディアでしたね。
立花: どんどんサウナの話が広がっていって、今では僕自身が「サウナの人」のイメージになってしまいました。あと、サウナは七時雨山荘の話だけでなく、この経験を他のサウナ施設にもシェアしたり、監修・アドバイスを行なっています。 現在山荘の隣に古民家サウナを建築中で、2022年オープン予定です。ストーブも岩手のものを使用し、新しいサウナの楽しみ方を提案できたらと思っています。
企業のチームビルディングに七時雨山荘を活用
HW: 七時雨山荘さんでのワーケーション活用の現状を教えてください。
立花: ワーケーションをする方はおりますし、ワーケーションではないのですが、僕自身が宿を営みながら今もエンジニアとして東京と岩手の2箇所で仕事をしています。七時雨山荘では、一棟貸しも行っているので企業が「チームビルディング」する際に、懇親会や社員旅行の場としてここを貸し切る需要も増えています。今後も企業にどんどん活用してもらえたらと思います。
今後も様々なイベントを企画しており、2022年度は当山荘へ和尚さんをお呼びし、「座禅会」イベントを行う予定になっております。「七時雨山荘」は内省する場所としてありたいと考えています。トータルで自分のことを見つめ直す場所として、今後もお客様に体験を提供し続ければと思います。
七時雨山荘 立花 龍太
住所:〒028-7515 岩手県八幡平市古屋敷96
TEL:0195-72-2103
※ 11月中旬〜4月まで閉館期間あり
宿泊予約はこちら https://nanashigure.iwate.jp/