長期的な関わりを目指して [第1回 チームビルディング編 カラビナテクノロジー株式会社]

レポート

長期的な関わりを目指して [第1回 チームビルディング編 カラビナテクノロジー株式会社]

福岡に本社を置く〈カラビナテクノロジー〉が、3度に渡り八幡平安代地区を訪れ、ワーケーションを行いました。〈カラビナテクノロジー〉は、システム開発、アプリ開発やウェブサイト制作を行う会社。全国に地域拠点があるほか、拠点がない場所で働くメンバーもいるなど、多くがリモートワークを行っています。第1回のテーマは「チームビルディング」。北海道、宮城、東京、福岡から5名のメンバーが、紅葉が見頃の10月に岩手に集まりました。

盛岡駅からバスで約50分と好アクセス

高速バスの停留所「安代」が玄関口

今回の滞在先〈新安比温泉静流閣〉は、盛岡駅から1時間かからずにアクセスすることができます。岩手県盛岡駅と秋田県大館駅を結ぶ高速バス「みちのく号」。その途中の「テレトラック安代」で下車すれば、送迎バスで宿までも5分とかからずに到着できます。盛岡駅へは新幹線、また、花巻空港からはバスでアクセスできるので、公共交通機関のみで安代地区に行くことができます。帰りも同様の利用が可能で盛岡発は8:00台発〜、安代発19:00台発までほぼ1時間毎に運行しています。

バス停横には待合所もあります

ワーケーションルーム・コワーキングスペースを新設

コワーキングスペースでの仕事の様子

〈新安比温泉静流閣〉では、ワーケーションを推進し、2022年にワーケーションルームとコワーキングスペース〈結〉を新設。デスクと椅子が完備された部屋で作業することができます。〈結〉ではモニターを使用したオンラインミーティングをすることもできます。

ワーケーションルームでの仕事の様子

職種によりフルフレックスタイム制、裁量労働制を導入し、各々が場所や時間に縛られない働き方をしているため、ワーケーションをしやすい〈カラビナテクノロジー〉。会社にも「ワーケーション制度」があり、条件はありますが、申請すればサポート費用も出してもらえるそう。

〈結〉でミーティングを行う〈カラビナテクノロジー〉のメンバー

今回の参加者は、(写真右上から時計回り)に東京在住のモジャさん、北海道在住で岩手出身のリバーさん、東京在住の103さん、福岡在住の1010さん、宮城在住のタビーさんの5名。ニックネームで呼び合うのも特徴で、今回対面で会うのは初めてというメンバーもいましたが和気あいあいとした雰囲気が到着後すぐに生まれていました。

■新安比温泉 静流閣

滞在中は日本屈指の強塩泉に入れるのも魅力。海水の2倍の塩分濃度で体の芯から温まります

住所:〒028-7533 岩手県八幡平市叺田43-1
TEL:0195-72-2110
https://www.sinappi.jp

サウナでチームビルディング!

サウナ〈イーハトーブ〉外観

第1回のワーケーションの目玉は、〈七時雨山荘〉のサウナ〈イーハトーブ〉でのチームビルディング。祖父が1965年に創業した宿泊施設を立花龍太さんが継ぎ、敷地内のバーベキュー小屋をリノベーションしてオープンした本格薪サウナです。

写真右が〈七時雨山荘〉オーナーの龍太さん。

「サウナを通じて岩手の文化や風土を知ってもらいたい」と話す龍太さん。サウナには岩手にまつわるものがたくさん取り入れられています。たとえば薪ストーブは釜石市の〈石村工業〉に特注し、岩手山の溶岩を使用。水風呂は八幡平市の酒蔵〈わしの尾〉に譲ってもらったという約100年前に使われていた酒樽です。

サウナ内を温める〈石村工業〉に特注の薪ストーブ
水風呂になっている〈わしの尾〉の酒樽

〈イーハトーブ〉という名称はもちろん、サウナのいろいろな場所に岩手県出身の詩人・童話作家の宮沢賢治の物語のエッセンスが散りばめられており、遊び心満載です。

宮沢賢治の「雨ニモマケズ」にもサウナが隠れている?
建物の中にある宮沢賢治の要素を探すのも楽しい

サウナ〈イーハトーブ〉は、着衣で入る男女共用のアウトドアサウナ。休憩スペースも多くあり、周囲を取り囲む山々や空を眺めながらの外気浴もできます。この日も特に決められたお題があったわけではありませんでしたが、自然とチームビルディングにつながる言葉が交わされていました。

外気浴でほっとひと息
サウナの中でも活発なコミュニケーションが

サウナ〈イーハトーブ〉の利用は5月〜11月初週の土日祝日。宿泊棟にも広いフリースペースがあり、wifiも完備されているのでワーケーションでも快適に滞在することができます。

サウナの時間までは各々がフリースペースで仕事を行いました

■七時雨山荘

住所:〒028-7515 岩手県八幡平市古屋敷96  
TEL:0195-72-2103
https://nanashigure.iwate.jp/

「グルチャリ」で安代地区を知る

自然の中を走ってリフレッシュ

安代地区の滞在で助けになるのが「あしろグルチャリ」。〈新安比温泉静流閣〉で貸し出しを行なっており、宿泊者は無料で借りることができます。〈カラビナテクノロジー〉のメンバーも仕事の合間に利用し、自然や食事を楽しみました。

電動アシスト自転車なので坂道も楽々です
仕事のペースに合わせて2班に分かれて行動しました

今回は第1回目の滞在のため、まずは安代地区を知ることからスタート。修験道の修行場であったと伝わる〈不動の滝〉、1930年創業の〈麹屋もとみや〉の〈SHIMONO528〉、国産大豆と地下水でつくる「ざる豆腐」や「湯葉」で知られる〈ふうせつ花〉を訪れました。第2回目は「地域課題解決」をテーマに、地域の事業者ともよりコミュニケーションを深める予定です。

「グルチャリ」で巡れるスポットを案内するマップもあります
〈ふうせつ花〉では人気の「ざるおぼろソフトクリーム」で糖分補給
日本の滝百選〈不動の滝〉でパワーチャージ!
滝までの道もマイナスイオンたっぷりです
お気に入りのスポットでは立ち止まって写真撮影

今後につながる決起会

〈新安比温泉静流閣〉を会場に乾杯!

滞在中は、〈新安比温泉静流閣〉の若旦那 橋本俊さんと、〈七時雨山荘〉のオーナー 立花龍太さんとともに食事をしながら懇親会を開催、八幡平でのワーケーションの可能性について語り合いました。

「外の方にも力を借りて良いまちにしていきたい」と話す俊さん
〈ふうせつ花〉の豆腐や生湯葉をいただける「あしろ美食御膳」を囲みました

〈カラビナテクノロジー〉では、これまでも自社の制度を利用し、宮崎や沖縄など、拠点がある、あるいは拠点をつくろうとしている場所など、どこかしらスタッフがいる場所にはワーケーションで訪れたことがあるそう。つまり何かしらの理由やきっかけがあることがワーケーションの場所として選ばれるためには必要なようです。

今回の滞在を振り返ります

「私は佐賀出身で、福岡と東京で仕事をしてきましたが、佐賀には帰る機会はなかなかありませんでした。でも、地元の市役所の方たちと話す機会があったら力になれることいっぱいありそうだなとは思います。今更自分からは声はかけられないけれど、求められるきっかけがあれば、手伝いたいという人は多いのではないでしょうか」とモジャさん。

「岩手出身のスタッフが、帰省も兼ね、同僚を連れてワーケーションに来られると、コーディネーターの立ち位置で動けてうれしいのでは。出身者のバックボーンが見えるのもおもしろい」とも話します。

実際今回の滞在でも、10年ぶりに岩手に帰省したというリバーさんが、岩手の歴史や文化を他のスタッフに紹介する場面が多く見られました。

エンジニアとしても活躍する龍太さん。東京と2拠点で活動していた時期もありました

同席した龍太さんは、「リモートワークが増えてよかったという声がある一方、エンジニアはうつ病が多くなったとも言われています。ワーケーションの役割は、同僚の人となりを知るとか、愚痴も聞けたり、気晴らしもできる時間がもてることだと思います」と話す。

峻さんも、「安代地区は青森県・秋田県・岩手県の県境に位置しているので、ここを拠点に仕事をしながら色々な地域を訪れてもらいたい」とも話します。

「資金調達を終えたスタートアップ企業のお祝いプログラムにも提案できるのでは」という意見も。これまでも〈八幡平ワーケーションウィーク〉を通じて、フリーランスのワーケーション利用は活発に行われてきた八幡平ですが、今回の企業型ワーケーションの経験を通じて、新たな能性が見えてきました。

今回生まれた関係は、次回「地域課題解決」をテーマにしたワーケーションへと続きます。

(※本件は「観光庁ワーケーション推進事業」モデル実証事業です)
PHOTO &TEXT:佐藤春菜

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